
仙台白百合女子大学は、設立母体シャルトル聖パウロ修道女会の創立と同じように、地域の求めに応じて、教育事業を拡充して参りました。これまで支えてくださいました全ての方に心より感謝を申し上げます。
本学は、1966年に一般家政専攻と食物栄養専攻を供える仙台白百合短期大学として発足しました。1960年頃に、仙台白百合学園中学高等学校関係者の間に、東北仙台の地に短期大学設置を求める声が年ごとに強くなり、その要望に応えて1962年短期大学設置を決定し、現在地泉区本田町に校舎を新設、1966年に開設の運びとなりました。開設から20年後には英語学科を増設し、海外研修の充実を図る等、次への飛躍を期して諸整備を進め、37年間の短期大学の歩みを終えました。そして、1996年には1学部(人間学部)、2学科(人間発達学科、人間生活学科)の女子大学となりました。その後も大学の魅力を高めるため学科再編を続け、将来の高齢化社会、国際的な視野を持つ学生の育成、また情報化社会に対応すべく努力して参りました。
この60年の歩みがそうであるように、今後も社会の変化・動向を見極め、本学の教育内容の幅の広さと奥行きの深さを増してゆけるよう努力を続けていく所存でおります。
特に地域の皆様には、従前通り私共の歩みを末永くお見守りくださいますよう心よりお願い申しあげます。

本学が短期大学設立から60周年を迎えられること、心からお喜び申し上げます。同じ年に創立母体であるシャルトル聖パウロ修道女会が創立330周年をお迎えになられるとのことですので、さらに感慨深く存じております。
開学当初、大学周辺は自然豊かで、授業を受けておりますと窓の外にリスやウサギが表れたこともありました。また、すぐ近くには沼があり、なんと坂を下りたバス停の先は一面田んぼでした。そんな昔と比べれば、今は周辺にコンビニやドラックストアが複数あり、大型スーパーや電気店、様々な飲食店にカフェ、衣料品店などすべてがそろって生活に大変便利な町に生まれ変わりました。最近ではすぐお隣が団地となり、60年という月日の流れを感じずにはいられません。
変化したのは周辺の環境だけではありません。世の中全体の価値観や人の考え方にも変化がありました。特に女性の生き方が大きく変わったように思います。きっとさらに60年後はもっともっと変化していることでしょう。
しかし、不易流行と申すように、何年経っても変わらないものもあると思います。大学の教育理念である「キリストの教えに基づく全人教育‥‥」キリストの愛の教えは不易なものです。開学の頃からのこの教えは同窓生一人一人の胸に刻まれているはずです。また、私たち同窓生にとって、周辺の環境は年々変化しても松森の地にある大学そのものも、そこで生まれた学生や教職員、同窓生の絆も不易なものと受け止め、ここで皆様と出会えたことに感謝しております。
時の流れは早く、社会は常に変化していますが、変わりゆく流行を受け入れる柔軟性をもって、それぞれの地で歩む同窓生たちに祝福がありますように引き続き祈っていただけると幸いです。私たちも微力ではありますが、母校のためにご支援させていただきたいと思っております。
最後になりますが、大学の益々のご発展をお祈り申し上げております。