歩みを支える、同窓会のまなざし
時を重ね寄り添い続けて
現同窓会長の氏家幸子様、前同窓会長の渡邉博子様、
そして加藤美紀学長を迎え鼎談を行いました。
卒業後も変わらぬ慈しみをもって
母校を見守り続けるお二人の視点から
仙台白百合女子大学と同窓会の関わり、
そして共に未来への歩む姿勢について
語り合っていただきました。
仙台白百合短期大学
家政科 食物栄養専攻 7回生
◇本学 健康栄養学科 元准教授
給食経営管理・学校栄養教育実習
などを担当
仙台白百合短期大学
家政科 家政専攻 1回生
◇同窓会長を30年以上勤め
現在同窓会顧問
仙台白百合女子大学 第8代学長
グローバル・スタディーズ学科 教授
専門分野:教育学(博士)
同窓会名誉会長
◇著作・講演多数
— 同窓会の役割、その意義を
教えてください
私たち同窓会は、大学のさまざまな行事に寄り添いながら、母校の発展を物心両面で支える役割を担っています。なかでも一番大きな行事は、毎年6月の第1日曜日または土曜日に開催する「同窓会総会」ですね。こちらでは主に、活動報告や決算の承認などを行っています。その他にも恩師との交流、大学の最新の情報を得る場にもなっています。そのためにも事務局は開催の数ヶ月前に卒業生にご案内をお送りしています。各学年の幹事さんや事務局の方々と協力し、一人ひとりに「お帰りなさい」という想いを込めてご案内しています。
一回生の皆さんが卒業されてから、約60年という月日が流れました。この長い年月の中で、総会は単なる事務的な報告の場ではなく、かつての恩師や友人が集い、親睦を深める「過去を振り返る場」であるとともに、新たな出会いからお付き合いが始まることもある「未来への場」にもなっています。最近では、案内状だけではなくホームページでもご案内をし、世代を超えた新しい交流が生まれているのを実感しています。また、同窓会は総会等での同窓生相互のお付き合いだけではなく、自分自身を育んでくれた母校への感謝の気持ちから大学をご支援できる活動の場でもあると考えています。
白百合祭の幹事会や同窓会総会での皆さんの母校愛溢れるお姿には、いつも感銘を受けています。総会での講話に熱心に耳を傾ける様子からは、新しい学びを大切にされていることが伝わってきます。また、卒業後25年や還暦を迎えられた方へお祝いの品をお渡しするなど、仙台白百合らしい細やかな配慮が随所に溢れていますよね。それに、毎週木曜日には事務局の方々が大学に集まって、総会や会報、さらにはバザーの準備まで、年間を通して本当に熱心に活動してくださっています。 まさに「陰から支える存在」として、常に大学と共に歩んでくださっているのを心強く感じています。
— 大学の「学び」を支える
同窓会の活動について
同窓会は、いつも大きな愛で包み込んでくれる「伴走者」であり、進むべき方向を示してくれる「道しるべ」のような尊い存在です。例えば、七夕の時期の「Yukata Day」もその一つですね。卒業生の皆さんが、学生たちのために着物や小物を貸し出してくださるだけでなく、着付けまで手伝ってくださるんです。 韓国、台湾、中国などから来ている留学生にとっても、日本の文化に直接触れることができる、かけがえのない機会になっています。
大学祭でのチャリティーバザーも、卒業生の皆さんが古着や食器を持ち寄ってくださって、毎年とても賑わいますよね。「少しでも大学の役に立てれば」という、皆さんの真っ直ぐな想いを感じて胸が熱くなります。最近では、男女共学化に向けた環境整備や駐車場の整備、さらには外国の病院への支援など、誠心誠意お手伝いさせていただいています。また、専門性を活かした「ゆりの会(仙台白百合短期大学・女子大学 栄養士同窓会 ゆりの会)」の活動も私たちの誇りです。
本学はこれまで多くの管理栄養士・栄養士を輩出していますから。「ゆりの会」では、特にコロナ禍以前には現場の第一線で活躍している卒業生が「食」についての見学や視察、講演などにより学び合う場として活発に活動していました。体験を語り合うことで実社会での学びを後輩たちへ還元していくこともできていたと思います。こうした専門職同士の「縦のつながり」も、同窓会ならではの大きな意義の一つだと考えているんですよ。それから、大学のすぐ隣にある「カリタスの丘」のこともお伝えしたいです。ここは特別養護老人ホーム(百合ヶ丘苑・梅が丘)やグループホーム、デイサービスなど5つの機能を備えた高齢者福祉施設ですが、その設立には渡邉前会長が大きく貢献しました。この施設は、まさに建学の精神を体現する、姉妹施設のような存在です。実習施設として学生たちの学びの場にもなっています。こうした形で福祉の面でも私たちの想いが形になっていることは、本当に喜ばしいことだと感じています。
本当に、パートナー以上の存在だと感じています。 渡邉さんは、本学が短大から4年制大学へと発展していく際、短大時代の学長も歴任された和田美稚子様と力を合わせて、道を切り拓いてくださいました。その「パイオニア精神」があったからこそ、今の同窓会の強い礎(いしずえ)があるのでしょうね。
渡邉前会長のご人徳があったからこそ、卒業生の心が一つにまとまり、今の学生たちへと想いを繋いでいけているんだと感じます。私もその大切な気持ちをしっかり引き継いでいかなければと、改めて身の引き締まる思いです。
二代目となる氏家さんは、仙台白百合で先生も務めていらっしゃいましたから、 これからの同窓会をさらに温かく、力強く導いてくれるでしょうね。
最近の事務局には20代の方も加わってくれて、とても良い雰囲気が生まれているんですよ。それに、大学内に事務局があるという「近さ」や、大学の職員に卒業生が多いことも、強い絆に繋がっています。いつもすぐそばに母校を感じながら、お互いに支え合えている……そんな今の関係性が、本当に心強いですね。
— 60年の歩みを振り返り、
変わりゆく時代の中で想うこと
この60年という月日の中で、変わったことも本当に多いですよね。 私の学生の頃には制服を着用していましたし、何よりキャンパスには「マ・スール(フランス語でシスター)」の方々がたくさんいらっしゃいました。以前、和田元学長と「マ・スールが少なくなって寂しいですね」とお話したことがあったんです。その際、和田先生が「それだけ日本が平和になり、教育体制が整ったということですよ」と仰っておりました。その言葉は、今でもずっと心に残っているんです。
平和になったからこそ、役割が変化したということなんですね。 確かに、以前のようにミサに集まる機会は少なくなったかもしれません。でも、「助けが必要な人のそばにいる」という、私たちの教育の根幹にある想いは、今も昔も少しも変わっていないのだと感じます。
白百合学園というと、グループ全体として女子教育のパイオニア的な存在というイメージが強いと思います。一方で、現在は女性の生き方や価値観が大きく変化しており、それに伴って大学教育にも変化が求められていると感じています。だからこそ、変わらない芯の部分を大切にしながら、時代とともに進化していく大学の姿を、同窓会としてもご支援していきたいと考えています。
女子教育の先駆けとしての価値観は大切にしつつ、これからは「共生社会の担い手」を育てていく。2027年度からの共学化も、まさにその大きな一歩ですね。私たちは規模の大きな大学ではありませんが、だからこそ「一人ひとりが神様から与えられたタレント(才能)を人々のために生かす」という姿勢は、卒業生にとっても、そして在学生にとっても、共通の誇りなんです。
— 次の時代に向けて、
伝えたい言葉をお聞かせください
同窓会は年々卒業生が増え、終わりがないものですので、あまり張り切りすぎず、細く長く、同窓会の皆さんと一緒に歩調を合わせてゆっくりと前へ進んでいきたいと思っています。2027年からの共学化によって、これから同窓会がどのように変わっていくかまだ想像がつかない部分もあります。でも、常に大学の歩みと共にあるような同窓会でありたいと考えています。事務局に若いメンバーが入ったと先ほどお話しましたが、「何が学びたいか」「今の時代に何が必要か」を彼女たちの視点で考え、時には思い切って任せていく。そんな姿勢も、これからは大切だと感じているんです。
今年の6月は、いよいよ60周年の記念すべき総会を迎えます。 一人でも多くの方に足を運んでいただけるよう、私も心を込めてたくさんの方にお声がけをしているところです。卒業してからも変わることのない絆が、永遠であることを―。 当日はぜひ、みんなでその喜びを分かち合い、実感したいですね。
氏家会長からもお話いただいた通り、共学化によって、大学・同窓会ともに、これから新たな段階を迎えることになります。大学としても、その変化がより良い形へと発展していくよう努めながら、同窓会の方々とご相談させていただきつつ、共に歩んでいきたいですね。きっと、男子学生が同窓会に加わることで、ビジネス面でもチャンスに結びつくような新しい繋がりも生まれるでしょう。同窓会を通して人間関係が広がり、社会生活もさらに充実していく…そんな、1+1=2以上の新しいシナジー効果が生まれる場になっていくのではないかと、今からとても楽しみにしています。
渡邉さん、氏家さん、本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました。